出会う
圧倒するための強さではない。温かくあり続けるための強さ。
カルダモンチャイティーは、甘いスパイスの香水ではない。台所の煙の中で煮立つやかんの観察。割れたさや。ほどける樹皮。注ぎ込まれるミルク。スパイシー。温かい。長く続く。
私は、誰とも争わない強さの言葉。台所をまるごと温める熱の言葉。やわらかさを失わないスパイスの言葉。
聴く
温かいまま、強い。
小さな瞬間がある。冷えた朝。雨の遅い午後。コンロのそばの一分間、鍋の中でカルダモンが弾ける音を聞く。
そのとき、カルダモンチャイティーの言葉が語られる。鍋を急いで離れない。ただ、煮えるまで。
すべての強さが叫ぶわけではない。抑えつけるためではない。勝つためでもない。
香りはひとつでは生まれない。カルダモンチャイティーが声を見つけるために借りた断片。
開くとき
カルダモンスターアニスベルガモット
落ち着くとき
シナモンジンジャーピンクペッパー
残るもの
タバコバニラレザー
こだま
持ち帰る香り。分かち返す片隅。
カルダモンチャイティーの言葉では、温かさの一度一度が意味を持つ。
カルダモンチャイティーは、家に持ち帰る香りにもなる。机の上の小さな一角。朝のスパイスのひと重ね。
あるいは、分かち合うための一角。まだ口にしていないこと。前置きのいらない話。ただ聞かれるために。