出会う
とどまらないと知りながら、心を奪われる。
ウォータージャスミンは重い白い花の香水ではない。水辺に短く咲く花への観察である。白。濡れている。ほとんど透明。気づかれるほど美しく、そして消える。
私は、光を宿す愛の言葉。咲くのは短いと知っている花の言葉。まだ水をまとう白の言葉。
聴く
軽やかに、ちょうどそのときに。
小さな瞬間がある。ウォータージャスミンの茂みのそばを通り過ぎる朝。美しいものを垣間見ても、抱きとめる時間のない午後。留めようとせずに心が動く一瞬。
そのとき、ウォータージャスミンの言葉が語られる。しがみつかない。ただ見るだけ。
すべての愛に長さが要るわけではない。留めることも。繰り返すことも。
香りはひとつでは生まれない。ウォータージャスミンが声を見つけるために借りた断片。
開くとき
オレンジレモンベルガモット
落ち着くとき
ジャスミンラブダナムウォータージャスミン
残るもの
パチョリバニラホワイトムスク
こだま
持ち帰る香り。分かち返す片隅。
ウォータージャスミンの言葉のなかでは、短いどの美しさにも意味がある。
ウォータージャスミンは持ち帰る香りになりうる。机の上の小さな片隅。ちょうどそのときの白い花のひと重ね。
あるいは分かち返す片隅に。時のなかに留められなかったもの。延長を必要としない物語。ただ聴かれるためだけに。