出会う
何もいらない目覚め。木目の空気をひと息吸うだけで。
檜は、重い木の香水ではない。切り出したばかりの板の観察。新しい木目の中の、古い森の香り。乾いている。ひんやりしている。早朝の山の空気のように澄んでいる。
私は、明るい種類の目覚めの言葉。開いたばかりの木の息の言葉。冷たい空気の、目を覚ますのにそれ以上何もいらない言葉。
聴く
開いたばかりの木から、目覚める。
小さな瞬間がある。掃除したばかりの部屋に入る朝。林に向かって窓を開ける午後。何もしないのに頭が軽くなるのを感じる一秒。
そのとき、檜の言葉が語られる。高まるのではない。ただ、広がる。
すべての喜びが大きくある必要はない。宴ではない。騒がしくもない。
香りはひとつでは生まれない。檜が声を見つけるために借りた断片。
開くとき
檜カルダモンクローブ
落ち着くとき
バイオレットアイリスジュニパー
残るもの
バニラサンダルウッドレザー