出会う
明るさからではない。水が去ったあとに残る甘さからの魅力。
ゴジベリーは甘い果実の香水ではない。日に当てきって乾かした小さな実の観察である。深い赤。縮んだ皮。凝縮した糖。深い甘さ。かすかな苦み。ゆっくりと。
私は、見せる必要のない引力の言葉。水が去ったあとに残る果実の味の言葉。砂糖からではなく、時間からの甘さの言葉。
聴く
日差しが足りていたから、甘い。
小さな瞬間がある。ひと握りの乾いたクコの実を手にする朝。杯は空なのに、まだ口に甘さが残る午後。人を引き寄せるのは、ごく静かなものだと気づく一秒。
そのとき、ゴジベリーの言葉が語られる。手を振らない。ただ、十分に長く立っているだけ。
すべての引力が騒がしいわけではない。明るくもない。注目のためでもない。
香りはひとつでは生まれない。ゴジベリーが声を見つけるために借りた断片。
開くとき
ベルガモットグレープフルーツゴジベリー
落ち着くとき
パセリリーフバイオレットジャスミン
残るもの
バルサムポプラベチバーシダーウッド
こだま
持ち帰る香り。分かち返す片隅。
ゴジベリーの言葉では、残り続ける味のひとつひとつが意味を持つ。
ゴジベリーは、家に持ち帰る香りにもなる。机の上の小さな一角。朝の、ゆっくりとした甘さのひと重ね。
あるいは、分かち合うための一角。まだ名のないこと。誘惑のいらない話。ただ聞かれるために。