出会う
優雅とは、二つのものが十分に長くそばにいるときに起こること。
ジャスミン茶は、ジャスミン一輪の香水ではない。十分に長く隣り合って置かれた花と葉の観察。花が葉に香りを移す。葉が花を受け入れる。やがて、互いが互いを運ぶ。
私は、時間によってたどり着いた優雅の言葉。ひとつの香りを分け合う二つのものの言葉。どちらが先というのでもない香りの言葉。
聴く
十分に長くいたから、美しい。
小さな瞬間がある。一杯のジャスミン茶を淹れる朝。誰かの香りがまだ袖に残っていると気づく午後。二つの香りがひとつになる一秒。
そのとき、ジャスミン茶の言葉が語られる。花を見せる必要はない。ただ、十分に長く。
すべての洗練が新しいわけではない。贅沢でもない。きらびやかでもない。
香りはひとつでは生まれない。ジャスミン茶が声を見つけるために借りた断片。
開くとき
ジャスミンクラリーセージベルガモット
落ち着くとき
緑茶カロン竹
残るもの
ベチバームスクサンダルウッド
こだま
持ち帰る香り。分かち返す片隅。
ジャスミン茶の言葉では、ゆっくりとした浸出のひとつひとつが意味を持つ。
ジャスミン茶は、家に持ち帰る香りにもなる。机の上の小さな一角。袖にのせる、軽い花のひと重ね。
あるいは、分かち合うための一角。まだ名前のないこと。見せる必要のない話。ただ、聞いてもらうために。